

別れさせ屋は肉体関係を使用するのか
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■別れさせ屋フリーダム所属工作員 佐藤
別れさせ屋と言うと、肉体関係を用いて分かりやすい既成事実(浮気の事実や不貞行為)を作り出すことで、それをもってカップルを別れさせたり、夫婦を離婚させるというイメージを抱いている方も多くいらっしゃいます。
しかし、実は多くの別れさせ屋が、実際に肉体関係を使っているということはないのです。
コラム第15回はフリーダム工作員の佐藤が「別れさせ屋は肉体関係を使用するのか」というテーマにて担当させていただきますが、何故、多くの別れさせ屋は工作員に肉体関係を持たせることはないのか、その理由を分かりやすくご説明いたします。
普通の別れさせ屋は肉体関係を使いません!

冒頭に続いて重ねるような形になってしまいますが、大半の別れさせ屋の工作員は各種工作において肉体関係を用いることはございません。
何故かと申しますと、別れさせ屋が工作員に肉体関係を使用させることは管理売春(管理者が売春を実行する者を管理下において組織立って行うこと)に当たる可能性が高く、日本ではこの管理売春は売春防止法12条で禁止されており、「自己の占有、管理する場所又は指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とする罪」として刑事罰の対象となり、その場合は当局による摘発が行われるからです。
また、後述しますが民法90条の公序良俗違反となる可能性も高く、その場合には契約を含めた法律行為が無効とされる可能性もございます。
肉体関係を使う、と言う別れさせ屋もあるにはあるらしい

探偵業届出を提出している多くの別れさせ屋は上記の問題点に気付いているため、肉体関係を使用することはございませんが、少ないながらも未だに一部の業者の中には、肉体関係による既成事実を用いた別れさせ工作を提案しているところもあるようです。
確かに肉体関係を使用すれば、証拠を残してその事実を明るみにすることで、不貞行為の証明となり、離婚事由の一つにできます。 しかし、この手法は前述のとおり、違法なものとなる可能性が高くなりますし、別れさせ屋の工作員が慰謝料請求をされる可能性があるという問題もございます。
多くの別れさせ屋が肉体関係を使っていない中で、「弊社工作員であれば、肉体関係も用いますよ!」「会社ではなく工作員個人の判断なので違法ではないですよ!」と言われると、依頼者側としては確かに効果がありそうに思えるために、それを理由としてそういった会社に依頼をしてしまう方もいらっしゃるようです。
ですが、よくお考えください。 「工作員個人の判断なので違法ではない」などという言い訳が通用する可能性は低く、刑事罰の対象となって当局による摘発が行われる可能性があるのに、その会社は本当に肉体関係を用いた別れさせ工作を行うのでしょうか?
仮に、実際に肉体関係を用いる別れさせ屋、業者であるならば、法律知識に疎いか、わかっていて肉体関係を用いているかなり危険な業者ということになります。 少なくとも、今現在、公安委員会に探偵業届出を提出している別れさせ屋の中には存在しないと思われます。 未だに行っているとすれば、何でも屋や便利屋が名乗っているような、探偵業届出を提出していない怪しい別れさせ屋でしょう。
別れさせ屋と肉体関係に関して、参考になる司法判断は?

過去には、別れさせ屋についてこういった司法判断もございます。
「肉体関係」有無がアウトとセーフを分けた? 「別れさせ屋」は公序良俗に反するか 司法が示した判断基準
判決では、「(別れさせ屋というサービスについて)倫理的な非難の余地は十分ある」としましたが、対象の女性が独身だった上、工作の過程で性的関係(肉体関係)を持つなどの方法も予定しなかったと指摘し、「実際に関係が終了するかは対象者の意思次第で、業者が別れさせる目的を達成できる可能性が高いとも言えない」と判断し、別れさせ屋の契約自体は公序良俗違反にはならないと結論付けています。
この判断を読み解くと、「工作の過程で性的関係を持つなどの方法も予定しなかったしなかったと指摘」という点が別れさせ屋が肉体関係を用いることの危険性を示しており、別れさせる際に肉体関係を用いると公序良俗違反となって契約自体が無効となる可能性も高いということになります。
契約自体が無効となれば別れさせ屋側は肉体関係まで用いたのに契約金を得られないという事態に陥りますので、工作員と対象者の間に肉体関係を持たせることは別れさせ屋にとって非常に大きなリスクと言えます。
別れさせ屋が肉体関係を使った場合の大きなリスクとは?

管理売春に加えて公序良俗違反となれば、探偵業届出を行っている業者の場合、ほぼ確実に営業停止処分となり無収入にもなります。 営業停止の行政処分は管轄の警察や公安委員会のサイトで3年間掲載もされますので、それが何処かに転載され続けてしまえば、会社としては終わりと言えるでしょう。
また、先ほども少し述べたことですが、仮に法的責任を逃れたとしても、肉体関係を用いて不貞行為を作り出し、それを公にすることで別れさせる(離婚させる)とすると、相手から慰謝料を求められる可能性がございます。 裁判になった際、浮気・不倫の不貞行為から生じる慰謝料は50万円~300万円と言われておりますが、これに加えて人件費や経費を考えると、高額な料金の別れさせ屋であっても儲けが出るどころか損害が出てしまう金額になります。
長くなってしまいましたが、別れさせ屋が肉体関係を用いることによるリスクについておわかりいただけたでしょうか。 「肉体関係を用います」という提案をしてくる別れさせ屋にはくれぐれもご注意いただきたいと思います。
そもそも肉体関係を理由に別れるとは限りませんよ!
最も重要なことですが、対象者が別れさせ屋の工作員と肉体関係を持ったからといって、それで確実に別れるとは限りません。
特に夫婦を別れさせる場合に多いのですが、別れることによって不倫相手が得をすると考え、意地でも別れないという選択をする方もいらっしゃいますし、夫はお金を持ってくるだけ、妻は家事をする家政婦、というようなお互いに割り切った夫婦の場合も、相手の浮気や不倫など意に介しないということが多くございます。
対象者の「気持ち」を別れる方向に誘導する、これが別れさせ屋の恋愛工作サービスです。
今回のコラム著者・別れさせ屋フリーダム工作員の情報
別れさせ屋フリーダムに入社して3年目の工作員。昨年モルカーに大ハマり。調査対象者がモルカーのイベントに向かったと思ったら「佐藤がいた」という事例も起きる。休日に在宅の場合はモルカーのBlu-rayをエンドレスリピートしているらしく、母親に呆れられてしまったという話。
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