- 駅や乗り換えは一瞬で対象者を見失う危険がある
- デパートは尾行難易度が高く、発覚リスクもある難所
- 尾行には行動予測と状況判断が重要になる
尾行が難しい都市の
場所と状況とは?
最終更新日
尾行は簡単そうに見えて実は難しい
別れさせ屋フリーダム スタッフによるコラム第3回を担当させていただく篠田です。
探偵や別れさせ屋の調査員と聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのは「尾行」や「張り込み」ではないでしょうか。 映画やドラマなどでも、探偵が対象者を追いかけるシーンは定番です。
しかし、実際の尾行というものは、ただ対象者の後をついて行けばよいという単純なものではありません。 対象者との距離感、人混み、建物の構造、周囲の視線など、現場では様々な要素を常に意識しながら行動する必要があります。
特に都市部では、人や建物、交通機関が密集していることもあり、「これは尾行がやりにくいな……」と感じる場所や状況も少なくありません。 ほんの少し判断を誤っただけで対象者を見失ったり、逆に尾行が発覚してしまう可能性もあります。
今回のコラムでは、別れさせ屋フリーダムで実際に調査を行っている私が、現場で感じる「尾行が難しい都市の場所と状況」について、実務経験を基にお話ししていきます。 なお、私は関東エリアを中心に担当しているため、今回の内容は都市部でのケースが中心となります。
駅での乗り換えは、一瞬で対象者を見失う危険がある
電車や駅での尾行は、ほんの一瞬目を離しただけで失敗に繋がることがあります。
特に都市部で尾行が難しい場所としてまず挙げられるのが、乗り換えの多い大きな駅です。 さらに、時間帯が出勤ラッシュや帰宅ラッシュと重なると、尾行の難度は一気に上がります。 出勤ラッシュ・帰宅ラッシュの時間帯は人の流れが非常に激しく、対象者のすぐ近くにいなければ、階段や乗り換えの途中で人混みに遮られ、そのまま見失ってしまうこともあります。
しかし、対象者との距離が近すぎると、今度は顔を覚えられるリスクが高くなります。 その場では問題なく尾行できたとしても、長期的には「最近よく見る人だな」と警戒され、尾行の発覚に繋がる可能性もあります。 そのため、本来であれば調査員としては、対象者と近付きすぎる状況はできる限り避けたいところです。 特に長期間に及ぶ可能性がある案件では、こうした細かな積み重ねが尾行発覚に繋がることもあります。
ただ、出勤ラッシュや帰宅ラッシュの駅では、逆に少し距離を取っただけで対象者を見失う危険があります。 「近付きすぎると発覚しやすい。離れすぎると見失う」 都市部の駅での尾行は、常にそのギリギリの距離感を探りながら行う必要があるのです。
基本的にはある程度の距離を置いて対象者を追うのが尾行の基本です。 しかし、このような状況では、リスクと成功率を天秤にかけた結果、密着に近い距離で追わざるを得ないこともあります。
どうしても対象者との距離が近くなるエレベーター
駅と同じく、尾行時に厄介な場所の一つがエレベーターです。
エレベーターは構造上、どうしても対象者との距離が近くなります。 一緒に乗り込めば至近距離で顔を見られることになりますし、密閉された空間のため、どうしても存在を強く認識されやすくなります。 特に対象者と2人だけで乗り込むようなケースは避けたいところです。
そのため、対象者が1人でエレベーターに乗ったことを確認できれば、1人が階段やエスカレーターで追い、もう1人がエレベーターの停止階を確認して連絡を取る、といった形で対応することもあります。
しかし、大型のデパートや商業施設では、対象者を含めて5~6人ほどが同時に乗り込むケースも珍しくありません。 その場合、対象者がどの階で降りるのかを外から確認することは難しくなります。
そういったケースでは、対象者以外の人の背後に入るなど、できる限り目立たない位置を取りながら同乗することもあります。
とにかく厄介、デパート
実は、別れさせ屋のスタッフとして働く私が、個人的に駅以上に厄介だと感じている場所があります。 それが、エレベーターの話でも触れた「デパート」や「商品数の多い大型商業施設」です。
近年では「若者の百貨店離れ」や、「百貨店業界そのものの衰退」なども話題になることがあります。 しかし、それでも都市部には大型のデパートや複雑な商業施設が数多く存在しており、探偵や別れさせ屋の現場では今なお非常に厄介な場所の一つです。
何が厄介かと言いますと、とにかく構造が複雑なのです。 ショッピングモールのテナントは出口がほとんど正面側で分かりやすいのですが、百貨店は棚や柱、テナントを仕切る壁が多く、どうしても視界が悪くなります。 尾行が発覚しにくいというメリットはあるのですが、その反面、こちら側も対象者を見失いやすくなります。
さらに、出口や移動経路が非常に多い。 各テナントに複数の出入口が存在していたり、エスカレーターやエレベーターも複数箇所に設置されていることがあります。 調査員側が出口を把握しきれておらず、想定していなかった動線から対象者が移動してしまった場合、「あれ!?いつの間にかいない!?」とその時点で尾行失敗です。
気付いた時には、もう対象者がいない。 実際の現場では、そのような形で対象者を見失うケースもあります。 都内でよくある似たような施設としては、ドン・キホーテやヴィレッジヴァンガード、大型スーパーなども挙げられます。
店員さんの何気ない行動が尾行発覚に繋がることもある
尾行におけるデパートや大型商業施設の厄介さは、建物の構造だけではありません。 実は、店員さんの行動が尾行発覚に繋がってしまうケースもあります。
特にアパレルショップなどでは、接客が非常に積極的なお店もありますよね。 対象者が服を見ている近くで調査員が自然を装って待機していると、店員さんから「お連れ様ですか?」「彼氏さんですか?」などと声を掛けられてしまうことがあります。
もちろん店員さんに悪気があるわけではありません。 むしろ接客としては普通なのですが、尾行を行っている側からするとかなり危険な状況です。
もし対象者に「あの人、さっきからずっと近くにいるな」と意識されている状態で、そのような声掛けが入ってしまうと、一気に尾行発覚へ繋がる可能性があります。 実際の尾行では、対象者本人だけでなく、周囲の第三者からどう見えるかも常に意識しながら行動する必要があるのです。
長時間居続けると不自然になるフロアもある
デパートや大型商業施設には、まだ厄介な点があります。 それは、長時間その場にいること自体が不自然に見えてしまうフロアが存在することです。
例えば、紳士服売り場や婦人服売り場、化粧品売り場などは、利用する性別や年齢がある程度限定されやすい場所でもあります。 街中の単独店舗であれば、対象者が入店したあと、出口が見える位置の路上で自然に待機していれば問題ないケースもあります。 しかし、デパートではフロア全体が婦人服階や紳士服階になっていることも珍しくありません。
そのため、対象者がその場に長く滞在すると、尾行側も同じ空間に留まり続ける必要が出てきます。 ただ、男性の調査員だけで尾行している状況で、対象者が婦人服階や下着売り場に長時間滞在されると、これはかなり厳しい状況です。
もちろん買い物客として紛れ込むこと自体は可能です。 しかし、何十分も同じフロアを行ったり来たりしていると、店員さんや周囲のお客さんから見ても不自然になりやすくなります。 場合によっては万引きなどを疑われてしまい、警備員に声を掛けられる事態も考えられます。
尾行では、「対象者に怪しまれないこと」はもちろん重要ですが、それと同時に、「周囲の空間に自然に溶け込めるか」も非常に重要です。
さらに、対象者の行動自体も予測しにくい
探偵や別れさせ屋の調査員は、常に対象者の次の行動をある程度予測しながら動いています。 しかし、デパートや大型商業施設では、その「予測」が非常に難しくなることがあります。
理由は単純で、対象者の動きが読みにくいからです。
デパートに行くと、複数のテナントを見て回りながら、あちこち歩き回る方も多いですよね。 店を出て右へ進んだと思ったら、急に振り返って左へ戻る。 「あ、危ない」と思って少し距離を取ると、今度はまた方向を変える。 実際の尾行現場では、このような動きが起こることがあります。
こうした動きを繰り返されると、「振り返るたびに同じ人がいる」という状況が生まれやすくなります。
例えば、対象者が友人や浮気相手などと待ち合わせをしていて、相手が先に到着していたケースです。 皆さんも、待ち合わせ相手と電話をしながら、「え?そっちにいたの?もう通り過ぎちゃったから戻るね」というようなやり取りをした経験はありませんか?
尾行する側からすると、この“急に戻る”という行動が非常に厄介です。 対象者の行動が読めない状況では、距離を取りすぎれば見失い、近付きすぎれば不自然になる。 そのため、調査員は常に周囲の状況や対象者の動きを観察しながら、継続的な予測と瞬間的な判断を繰り返しています。
尾行には経験と状況判断が求められる
このように、探偵や別れさせ屋の調査員には、様々な場所や状況でも対象者を見失わずに追い続ける技術、そして尾行を発覚させないための自然な立ち回りが求められます。 さらに、そのような状況の中で、必要に応じて写真や動画による記録を行わなければなりません。
尾行というと、一般の方からすると「後ろを歩いてついて行くだけ」というイメージを持たれることもあります。 しかし実際には、人混み、建物の構造、周囲の視線、対象者の予測できない行動など、様々な要素が複雑に絡み合っています。
ほんの少し距離感を間違えただけで対象者を見失ったり、逆に尾行が発覚してしまうこともあります。 そのため、実際の現場では経験や状況判断、調査員同士の連携が重要です。 特に都市部では、駅、大型商業施設、人混みなど、尾行の難度を上げる要素が非常に多く存在します。 そのため別れさせ屋フリーダムでは、予測される現場の状況や対象者の行動パターンに合わせて、調査方法や人員配置を柔軟に調整しながら対応しています。
尾行は、簡単そうに見えて実際には非常に難しい技術です。 だからこそ私たち調査員は、日々様々な現場経験を積み重ねながら、少しでも確実な情報収集ができるよう努めています。
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撮影NGを漫画にしてみました(テレビ大阪)
別れさせ屋~相談者がその扉を叩く時~(本当にあった愉快な話・竹書房)など
