GPSでストーカー容疑、無断設置条項適用で逮捕
■別れさせ屋フリーダム所属調査員 宮寺
弊社フリーダムのような別れさせ屋には、ストーカー問題に悩んでいる方からご相談が寄せられることもございます。
実際のところ、ストーカー規制法が改正される度に警察が動きやすくなっていることもあり、年々弊社フリーダムのみならず別れさせ屋業界全体へのご相談とご依頼件数は減っていると思われますが、それでも様々な理由からゼロにはなっておりません。
さて、そういったストーカー規制法の改正が何故行われているのかと言いますと、逗子ストーカー殺人事件や小金井ストーカー殺人未遂事件といった重大なストーカー事件が起きてしまったり、技術の進歩によって現行法では対処しきれないストーカー行為が行われるようになってしまうからです。
例えば、逗子ストーカー殺人事件を受けて成立した初の改正案では「電子メールの連続送信をつきまとい行為に追加」「被害者の住所地だけでなく、加害者の住所地などの警察も警告や禁止命令を出せるよう変更」「警察が警告を出したら被害者に知らせ、警告しない場合は理由を書面で通知する」といった改正が行われ、小金井ストーカー殺人未遂事件を受けて成立した2度目の改正では「TwitterやLINEといったSNSなどでのメッセージの連続送信や、個人のブログへのしつこい書き込みをつきまとい行為に追加」「罰則の強化」「非親告罪(被害者等からの告訴がなくても起訴できる罪)化」など、さらに多数部分が改正されました。
ちなみに、2度目の改正では「ストーカー行為等をするおそれがある者に対し、行為対象となる相手方の個人情報等を提供する行為の禁止」という、興信所や探偵、復縁工作および出会い工作を行っている別れさせ屋にとても大きな影響を与える改正点もございました。 これは追加しておかないと「多めのお金さえ貰れば、ウチは調査しますよ!」といった、自分が稼げればそれでいい悪質な探偵や別れさせ屋による、ストーカー加害者への情報提供が行われてしまう可能性があったので当然法的に縛るべきであったと言えます。
しかし、こうしてストーカー規制法の改正部分をご覧いただくと、ストーカーに対して如何に警察が動きやすくなったのか、とても分かりやすいのではないでしょうか。
そして実は3度目の改正が昨年(2021年)に行われており、「相手方が現に所在する場所(たまたま立ち寄った店等)の付近における見張り等」「拒まれたにもかかわらず連続して文書を送付する行為」「GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得等」が規制対象に追加されたのですが、2022年6月24日、遂に警視庁管轄内でもGPSの無断設置による逮捕者が出ました。
警視庁が、初のGPS無断設置条項適用でストーカーを逮捕
前置きが非常に長くなってしまって申し訳ございませんでした。 下記リンクの記事をご覧ください。
GPSでストーカー容疑、男逮捕 警視庁、初の「無断設置」条項適用(産経新聞)
20代知人女性のリュックサックに衛星利用測位システム機器(GPS)を入れて女性の居場所を調べたとして、61歳の会社員男性をストーカー規制法違反の疑いで逮捕したとの報道です。
20代女性に好意を持ち、GPSを駆使して(しかもGPSと分からないように細工を施していたとのこと)ストーカー行為をする61歳男性は「若い」と思ってしまう部分もございますが、その若さをストーカー行為に向けてしまった時点で何も褒められることはないので深く反省していただきたいところです。
逮捕された男性には奥さんと成人した子供がいるようですが、今回のストーカー事件は警視庁初のGPS無断設置条項適用事件として大きく報道されてしまいましたので、奥さんと子供については不憫としか言いようがございません。
大阪や岡山でもGPS無断設置による逮捕者が出ています
警視庁初のGPS無断設置条項適用事件として上記事件が大きく報道された影で、実は既に大阪や岡山でもGPS無断設置によるストーカー容疑で逮捕者が出ています。
GPSストーカー、「行く先々で現れた」…被害者が恐怖語る(読売新聞オンライン)
35歳男、女性の車にGPS機器を取り付け位置情報を取得 職場にも押しかけ逮捕(exciteニュース)
読売新聞の報道、大阪のストーカー事件では自転車の前かごの下にある金具に手のひらサイズのGPS機器が磁石で取り付けられていたようで、exciteニュースの報道、岡山のストーカー事件では被害者の女性が所有する自動車にGPS機器が無断で取り付けられていたようです。
先ほども述べさせていただきましたが、警視庁(東京)の事件では被害者女性のリュックサックの中にGPSを仕込んでおり、短期間で起きた同じストーカー事件といってもGPSの場所を仕込んだ場所はそれぞれ異なっております。
こちらのコラムをご覧になられている方で、「ひょっとして……」と思う何かがございましたら、警察に相談してみることをお勧めいたします。
GPSには色々な意味でご注意ください
GPSは便利な反面、ストーカーに悪用されると非常に危険なものと言えますが、その他様々な面でもGPSには注意が必要です。
不倫や浮気をしている人でパートナーにバレたくないと思っているのであればGPSには注意が必要ですし、その一方で夫婦間やカップル間で不倫や浮気を疑って相手の持ち物にGPSを仕込んでしまうと、プライバシーを侵害したとして民事上の損害賠償請求をされる可能性もございます。 さらに、実際にはパートナーが浮気や不倫をしていなかったとしたら、人間関係が修復不可能な事態に陥ってしまうことも考えられます。
また、興信所や探偵、探偵業法届出を行っている別れさせ屋であればGPSを問題なく利用できるということも一切ございませんので、安易に「GPSを利用して対象者を追跡します」と言うような興信所、探偵、別れさせ屋にもご注意ください。
今回のコラム著者情報
調査員 宮寺
別れさせ屋フリーダムに入社して5年目の調査員。無害な一般人の風貌をしているが中身は所謂オタク系であり、SNSなどから対象者の情報を得る地味な事前調査が好き。周囲の人間にはインターネット上に様々な情報を掲載する危険性について説いている。
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